供給量って3種類あるって知ってる?|“希少性=価格上昇”の落とし穴とトケノミクスの話

「供給量が少ないから、価格は上がるよね?」

仮想通貨を始めたばかりの頃、僕はそう思ってました。

ビットコインは2100万枚しか発行されない。
だから希少性がある。
だから上がる。

シンプルでわかりやすい理屈です。
でも、そのあといくつかのプロジェクトを見ていくうちに、僕はこう思い始めました。

「供給量って、そもそも“1種類”じゃなかったんだ…」

供給量には“3種類”ある

仮想通貨における「供給量」には、大きく分けて以下の3つがあります。

① 循環供給量(Circulating Supply)

現在、市場に出回っているトークンの枚数。

これは実際に売買できるトークンの量。
CoinMarketCapなどで表示されている「現在の価格 × 循環供給量」で、時価総額が計算されます。

② 総供給量(Total Supply)

すでに発行された全トークンの合計(ロック中含む)。

「運営チームが持ってる」「ステーキング報酬としてロック中」なども含まれます。
つまり、今は市場に出てないけど、将来的に出てくる可能性がある。

③ 最大供給量(Max Supply)

プロトコル上、発行できる上限値(なければ∞)。

BTCなら2100万枚、XRPは1000億枚など。
この上限が決まってることで、インフレしすぎないという安心感を与える設計です。

「発行枚数が少ない=価格が上がる」とは限らない

たとえば、あるプロジェクトが「最大供給量:1億枚」「循環供給量:100万枚」だったとします。

このとき、表面上は「供給少なっ!価格上がりそう!」って感じますよね?

でもよく見てください。
残りの99%が、将来ロック解除されて市場に出てくるかもしれない。

つまり、今は希少でも、後から大量に放出されたら売り圧になるわけです。

本当に見るべきなのは“供給の設計図”

このとき僕は、「供給“量”じゃなくて、供給“設計”が大事なんだ」と気づきました。

・初期保有の割合はどれくらいか
・チームやVCはいつロック解除されるのか
・インセンティブ(報酬)はどう配られるのか
・バーン(焼却)やバーン予定はあるのか

こうした全体像が、いわゆる 「トケノミクス(Tokenomics)」 です。

トケノミクスを無視した投資は、後から痛い目を見る

リリース直後に価格が上がったからエントリーした。
でも数ヶ月後、ベスティング解除で大量に放出されて価格が急落した。

「なんで…?」と思って調べたら、供給スケジュールが事前に出てた…

そんな経験、僕もあります。
だから今は、価格よりも先に「供給と配分の仕組み」を見るようにしています。

まとめ:供給量は“量”じゃなくて“流れ”で見る

供給量は、数字だけを見ると「少ない=希少=上がる」と思ってしまいます。
でも実際は、

・どの供給量の数字を見ているか?
・そのトークンはいつ、どれくらい流通していくのか?
・それは誰が持っていて、どんなインセンティブで動くのか?

ここまで見てようやく、「価格は上がりそうか?」という判断ができる。

僕は、価格チャートよりもまず、“供給のストーリー”を見るようにしています。

そして、そういう見方こそが、仮想通貨を“投機”じゃなくて“投資”として扱う第一歩だと思っています。

トケノミクスを読み解く“投資目線”を育てませんか?

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筆者プロフィール

仮想通貨の世界に魅せられて、実需や未来に注目するプロジェクトを日々リサーチしています。
このブログでは、草コインやL1の深掘りを“やさしい言葉”でお届けしています。

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本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄や投資を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任で行ってください。