ブロックチェーンはこれまで「何でも自分で処理するモノリシック型」が主流でした。 しかし、処理量やコストが限界を迎えるなかで、いま新たな潮流として台頭しているのがモジュラー型ブロックチェーンです。
この記事では、なぜこの分業モデルが次世代の標準になりつつあるのか、どんな投資テーマとして注目されているのか、そして主要3銘柄の特徴を整理します。
目次
まず30秒で:モジュラー型が注目される理由
- 分業で高速化: 実行・データ・コンセンサスを分けて最適化。
- 開発効率が向上: 新L2やアプリチェーンを簡単に構築できる。
- エコシステム拡大: L2やRollAppが量産され、採用が連鎖的に増加。
結論:すべてを1本で支える時代から、「専門化して連携する」構造への転換が進んでいます。
なぜ欠かせないのか(分業の必然性)
従来のモノリシック型では、1つのチェーンが処理・保存・合意をすべて抱えるため、トラフィックが増えるほど手数料が高騰します。 モジュラー型はここを分離し、処理を分業して効率化する設計です。
Celestiaのようにデータ可用性(DA)だけを担当するチェーンが基盤となり、その上にDymensionのようなアプリ特化型L2が乗り、Scrollのような実行特化型L2が並走する──。 この構造が生まれたことで、ブロックチェーン全体のスケーラビリティと柔軟性が劇的に高まりました。
今、資金が集まる理由(成長の伝達経路)
モジュラー型の魅力は、「分業した各層が互いの成長で報酬を積み上げる」点にあります。 L2やRollAppが増えるほどデータ保存需要が増え、Celestiaの手数料収入が伸びる。 DymensionはL2構築ツールとしてRollAppの数が増えるほど手数料を獲得する。 Scrollは高速EVM互換チェーンとしてアプリ需要を直接取り込みます。
つまり、1つの成功が他の層の収益を押し上げる相互成長型エコシステム。 これが、投資家から見たときの最大の魅力です。
主要プレイヤーを3分で整理
Celestia(TIA)
役割:データ可用性(DA)層。
特徴:他チェーンの「土台」となる存在。専用チェーンやL2が増えるほど需要が拡大。
Dymension(DYM)
役割:RollApp展開プラットフォーム。
特徴:用途別L2を量産し、開発者が容易に独自チェーンを立ち上げ可能。
Scroll(SCR)
役割:EVM互換の実行レイヤー。
特徴:Ethereumのセキュリティを維持しながら、高速かつ低コストで拡張可能。
気になる銘柄があれば、個別分析へどうぞ。
→ Celestia(TIA)の分析を見る / Dymension(DYM)の分析を見る / Scroll(SCR)の分析を見る
伸びるシナリオと注意点
シナリオ: L2・RollApp・DA層の分業が進み、チェーン全体が1つのネットワークのように機能する。新興国や企業領域でも採用が拡大。
注意点: モジュラー間の互換性とセキュリティ維持が課題。特に、どの層が「責任点」となるかが今後の焦点です。
- Celestia系:DA層の分散度とコスト設計をチェック。
- Dymension系:RollAppエコシステムの成長速度に注目。
- Scroll系:EVM互換性と他L2との性能差が競争軸。
まとめと次の一歩
モジュラー型ブロックチェーンは、「全機能を1つに詰め込む時代」から「役割ごとに最適化する時代」への転換点を示しています。 各層が連動して成長する構造は、長期的にも収益を生みやすいテーマです。
次は、それぞれのプロジェクトがどんな形で収益を積み上げているかを確認してみましょう。



