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なぜ仮想通貨は「怪しく」見えるのか?──思い込みの正体に迫る
昔の自分が、まさにそうでした。
投資?危ないし、なんだかギャンブルっぽいし、失敗したら家族に迷惑かけるだけ。
堅実に貯金して、マイホームを買って、ローンを返しながら子どもを育てる——
そんな“普通”の未来を目指すのが、間違いない選択だと思っていました。
2017年ごろにXRPに触れたことはありましたが、正直そのときは「ふーん、よくわからないし怪しいな」という程度。
本格的に仮想通貨にのめりこんだのは、コロナ禍が始まってからです。
あのとき、「あれ、なんか社会が変わるぞ」と感じました。
国から突然の給付金。アメリカも日本も、まるで“天からお金が降ってきた”かのように見えました。
けれど、その後すぐに違和感が訪れました。
スーパーの食品や日用品の値段が、じわじわと上がり始めたんです。
もらった10万円は確かに嬉しかった。でも、なんでか暮らしは楽にならない。
むしろ、物価が上がってお金の価値が下がっているように感じたんです。
それは同時に、「日本円って本当に安全なのか?」という問いを生むきっかけでもありました。
そう思ったとき、2017年に触れたXRPを思い出し、もう一度調べてみることにしました。
その流れで、仮想通貨という世界を構造的に見直していくことになったんです。
日本円だって“無限に刷れる仮想通貨”だった?
仮想通貨を怪しむ人の中には、こんな意見をよく聞きます。
「だって、裏付けがないでしょ」
「急に増やせるとか、信用できなくない?」
でも、それを聞いたとき、僕はこう思ったんです。
「…それ、日本円も同じじゃない?」
実際、日本政府は2020年、国民一人あたりに10万円を給付しました。
給付総額は約12兆円。このお金は、どこかから「稼いできた」わけではありません。
国の会計に“数字を足す”ことで生まれたお金です。
その結果どうなったか。2020年以降、消費者物価指数(CPI)は上昇基調に入り、
2022年には前年比で3.0%を超える水準に。
普段の買い物でも、冷凍食品が98円から128円、カップ麺が110円から140円になるなど、
体感としてのインフレが生活にじわじわ押し寄せてきました。
つまり、「使われているから価値がある」日本円もまた、信頼が崩れれば価値を失う可能性がある通貨なんです。
通貨の価値は「量」ではなく「信頼」で決まる
僕たちはつい、「お金には価値がある」と思い込んでしまいます。
でも実際のところ、それは“信用されているから価値がある”だけなんです。
昔の通貨は、金と交換できる「金本位制」に支えられていました。
でも1971年以降、今の通貨は「管理通貨制度」——国家の信用をもとに発行されています。
現代の理論では「いくら通貨を発行しても、信頼があれば大丈夫」とも言われています。
これがMMT(現代貨幣理論)です。
ただし、その信頼が揺らいだ瞬間、インフレや通貨安が起きる。
通貨の価値は「発行量」ではなく、「信頼の総量」で決まる。
でも、信頼って本当にそんなに頑丈なものなんでしょうか?
コロナ給付金とインフレ:信頼は揺らいでない?
給付金をもらったあと、生活は少し助かりました。
でもその直後から、カップ麺やガソリン、電気代までもがじわじわと上がっていった。
2020〜2022年にかけて、日本のCPIは緩やかですが確実に上昇を続けました。
これは、通貨の“信頼”がわずかに削られた証拠とも言えるかもしれません。
しかもそれは、突発的な戦争や災害ではなく、政府が意図的に行った金融政策の結果です。
お金は、政治によって「増やされる」もの。
そしてそれによって、僕たちの資産の価値が“目に見えないかたちで削られる”こともある。
現金だけを信じて持ち続けることが、本当に「安全」なんでしょうか?
それでも投資に背を向ける日本人
それでもなお、日本には「投資は怖い」という感覚が根強く残っています。
長年のデフレ経済。物価が上がらず、現金を持っていれば“損しない時代”が続いた。
その感覚が、「投資=無駄なリスク」「預金=正義」という文化を作り上げました。
でも、インフレの時代は違います。
「現金だけを持つこと」こそが、実は“最大のリスク”かもしれません。
そう気づいたとき、投資という選択肢が、自分と家族を守る手段に思えるようになりました。
トケノミクスの設計思想:供給上限があるという安心
仮想通貨の世界に触れて驚いたのは、通貨のルールがあらかじめ決まっていることでした。
たとえばビットコインは、最大2100万枚までしか発行されません。
しかも半減期で発行スピードは遅くなり、失われたコインは戻ってきません。
つまり、「増えない設計」が仕込まれている。
それって、“価値が減らないお金”とも言えるわけです。
他にも、例えばXDCのように、最大供給量が1000億枚と設定されており、取引手数料の一部がバーンされることで供給量が調整される設計のプロジェクトもあります。
このように、仮想通貨には「通貨を守るための仕組み」が最初から備わっている。
僕はそこに、日本円よりも健全な設計すら感じることがあります。
投資とは、“不安定な円”に備える一つの手段である
投資は、怖いものじゃない。
未来が不確かだからこそ、「今できる備え」として存在する選択肢です。
仮想通貨に限らず、株や債券、外貨なども含めて、
自分なりに構造を理解して、信じられるものに向き合っていくこと。
それが、僕にとっての“投資”であり、“未来の不確かさへの備え”なんです。
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