国内仮想通貨取引所の比較|本当にそこで迷う必要ありますか?

仮想通貨を始めるとき、最初のハードルが「どの国内取引所で口座を開けばいいのか」という問題です。

ネットには比較記事が山ほどありますが、正直あの“ありがちな比較表”を見ても答えは出ません。

むしろ「手数料は?」「銘柄数は?」と細かい数字に振り回されて、余計に迷うのがオチです。

本記事では、そうした表のどこが本質からズレているのかを突っ込みつつ、初心者が本当に選ぶべき取引所をズバッと整理していきます。

まずは、誰もが一度は目にする“ありがちな比較表”から見ていきましょう。

国内取引所の比較表
(よくあるパターン)

取引所手数料銘柄数入出金手数料
bitbank取引所
0.1〜0.2%
40種類出金550円〜
SBI VC Trade無料
(販売所)
20種類出金無料
bitFlyer販売所無料30種類出金770円〜
Coincheck販売所無料20種類出金407円〜

ありがちな比較表に潜むワナ

この表、一見便利そうに見えますが、実は 投資判断にはほとんど役に立たない項目が並んでいる のです。
ここからは、よくある比較ポイントを1つずつ見ていきましょう。

販売所は“両替所方式”? → 大きな落とし穴

まずは仕組みを整理しましょう。

  • 販売所: 相手は会社(運営元)。会社が提示する買値と売値で取引するため、差額(スプレッド)が大きい。
  • 取引所: 相手はユーザー同士。板に並んだ注文をマッチングするので、価格差はごくわずか。

イメージは旅行の空港両替所です。

1万円札を両替した瞬間、9,500円分しか返ってこない──そんな感覚です。お金を入れた瞬間から損しているのが「販売所」です。

実際の例を見てみましょう。

こちらが販売所の“買い”画面。ビットコインは 17,896,000円 で表示されています
販売所の価格はスプレッドが大きく割高。初心者は注意が必要

買値:17,896,000円
売値:16,968,600円

同じタイミングで買ってすぐ売ると約93万円の差額

これはつまり「10万円分のビットコインを買っただけで、最初から約5,000円の損」になる計算です。コンビニで500円のおにぎりを買ったのに、直後に「売るなら400円」と言われるようなものです。

一方、取引所の板では価格差は数百円〜数千円程度。

取引所の板ではスプレッドが小さく、実質コストを抑えられる

つまり「買ってすぐ売ってもほとんど減らない」感覚なので、初心者でも安心して使えます。

細かな差を気にするよりも、むしろ相場を見て安いタイミングで買う方が何十倍もリターンに影響します

👉 結論:販売所は“両替所方式”で損する仕組み。初心者は必ず取引所を使うこと。

入出金手数料 → 気にするだけムダ

比較記事ではよく「出金手数料〇〇円」と並んでいますが、正直そこまで重要ではありません。

実際に頻繁に出金する人はごく一部。ほとんどの人は、入金して買ったらしばらく保有するパターンです。

むしろ大事なのは入金のしやすさ

例えばクイック入金なら主要銀行を選ぶだけで即時反映されるので、初心者でも迷うことはありません。

主要銀行を選ぶだけで即時反映。初心者でも迷わず入金できます。

もちろん、出金時に「550円 vs 770円」みたいな差はあります。でも相場の値動きは1日で平気で数%動きます。

たとえば10万円分なら、わずか数時間で数千円〜数万円の差がつくのが普通です。

数百円の手数料を気にするのは、台風の中で傘の色を悩むようなもの。

正直なところ──「年に何回入金・出金するつもりですか?」という話です。

それよりも「いつ入るか・いつ出るか」のタイミングの方が、リターンに与える影響は何十倍も大きいのです。

銘柄数 → 全く本質じゃない

比較記事でよくある「取り扱い銘柄数が多い取引所=良い取引所」というロジック。冷静に考えてみてください。

これは「いい銘柄が多い」という条件が満たされて初めて成立する話です。

では実際はどうか。

ビットコイン、イーサリアムといった王道銘柄を除けば、国内で追加される多くのアルトは正直そこまで注目されていません。将来性が期待されているか?と言われれば、答えはノーに近いのが現実です。

しかも「20銘柄 vs 30銘柄 vs 40銘柄」なんて誤差レベル。

海外取引所──たとえば当ブログでも推しているMEXCは約1,800銘柄を扱っています。「銘柄数が多いから国内の〇〇が良い!」と語るのは、正直スケール感を完全に見誤っています。

もし本気で草コインまで触りたいなら、まず国内取引所で売買や送金に慣れる。

次に海外口座にチャレンジして、数百〜千以上の銘柄にアクセスする。これが現実的なステップです。

👉 銘柄数で国内取引所を比較するのは最も本質から外れた基準

そこを気にして悩む時間があるなら、海外口座に挑戦する準備を進める方が100倍有益です。

結局おすすめはこの2つ

上記を踏まえて、初心者に本当におすすめできるのは以下の2社です。

bitbank(ビットバンク)

  • 板取引がシンプルで使いやすい
  • 取引手数料も業界最安クラス
  • 送金にも強く、海外取引所への橋渡しに最適
bitbankの取引画面。シンプルで直感的に操作でき、初心者でもすぐ慣れます。

さらに、送金速度を重視するならリップル(XRP)の購入がおすすめ。
XRPは送金時間が速く、手数料も安いので海外取引用に最適です。

SBI VCトレード

  • 仮想通貨を保有するだけで自動的にステーキング報酬がつく
  • 放置するだけで利息のように資産が増える
  • 大手SBIグループ運営で安心感が高い
実際のステーキング報酬実績(2025年7月時点)。ETHでも年率2.9%前後

例えばETHをSBI VCに置いておくだけで、年率2.9%前後のステーキング報酬が受け取れます。

公式サイトの「手数料無料」の正体

最後にもう一度「販売所無料」のトリックを振り返りましょう。

bitFlyer公式サイトには「販売所は売買手数料無料」と書かれています。

公式サイトには『販売所は売買手数料無料』と書かれていますが…

しかし、下に小さく「スプレッドをお客様にご負担いただきます」と明記されています。
つまり 手数料無料=無料ではない のです。

まとめ:迷ったらこの2択で十分

  • 販売所はスプレッドで大損するので使わない
  • 国内取引所はシンプルさ・実用性で選べばOK
  • 結論:
     → bitbank(送金・取引の安定感)
     → SBI VC(ステーキングで放置運用)

さらに草コインまで挑戦したい場合は、国内でETHやXRPを買って海外取引所(MEXC)へ送金すれば数百銘柄にアクセス可能です。

初心者はまず、この2社のどちらかを選んで口座を作れば間違いありません。

手数料や銘柄数で迷うのは時間のムダ。結論、bitbankとSBI VCで十分です。迷う前に口座を作ってしまいましょう。